これまで弊社に寄せられた、特許資料の収集に関わる様々なご質問をヒント集として、列挙して参ります。
特許資料調査業務に携わる方々の一助になれば幸いです。
また、新たなご質問等が御座いましたらお問い合わせ下さい。



審査経過編

☆包袋って? −様々な包袋の種類−(特許・実案)

 特許庁において、出願経過や審判経過を綴った袋を「包袋」と通称していますが、主に以下の様な種類のものがあります。

※通常紙包袋・・・平成2年11月以前の出願の記録。
※電子ファイル・・・平成2年12月以降の出願記録(電子化ファイル)。
  (出願番号:平成2年400001号以降のもの)
※審判記録・・・拒絶査定不服・無効・取消などの審判記録。
※異議包袋(異議番号なし)・・・電子出願後で、公告制度時代の異議
  記録。
※異議記録(異議番号付与)・・・付与後異議制度後の審判部により 
  審理される異議記録。
※現物閲覧・・・電子出願後の書類でも、電子化されないもの。(外国
  出願の優先権証明書・図面代用写真等があります。)

上記のものを閲覧する場合各々毎に閲覧請求用紙が違うので注意が
必要です。

☆審査請求の有無の確認は?

 審査請求期限経過後、約2ヶ月程度で「未請求票」と言うものが庁内で作成されます。
そして、その後約1ヶ月程度してから未請求取り下げ処分が確定します。
ですから、包袋で審査未請求の確認をするのは期間経過後3〜4ヶ月後が良いでしょう。

☆審判請求の有無の確認は?

 拒絶査定発送後、審判請求までの期限は通常30日です。
通常期限ぎりぎりに査定不服審判される場合が多い訳ですが、ではそれを最も早く確認出来る方法は?・・・以下をヒントにして下さい。

※特許庁総合データベースの最終処分で確認する。(審判請求日から
  約2〜3週間で審判番号が付きます。)
※包袋の袋の表紙で確認する。(包袋表紙への審判番号付与は前記
  と同じく審判請求日から約2〜3週間で付きますが、包袋閲覧に1週
  間程度の時間がかかります。)
※前記の方法で審判番号が付与されない場合は、拒絶査定確定と考
  えられますが、最終的には、期限経過後約2〜3ヶ月してから出願
  包袋を閲覧して情報館の保管番号確認をするのが良いでしょう。

☆付与後異議の確認は?

 新法施行後の異議期間は特・実で6ヶ月、商標で2ヶ月です。
では、その異議の有無を如何に早く確認するか?・・・以下を参考にして下さい。

※登録原簿で確認する。・・・異議申立ての後、2−3週間して異議番 
  号が付与されると即座に原簿に登録されます。これが一番早くて確
  実な確認手段でしょう。
※包袋閲覧をして、異議番号の確認をする。・・・注意されたいのは、 
  電子出願後のファイルには、当事者系の審判番号しか記録されない
  点です。・・・つまり、電子出願後の付与後異議もファイルには記載さ
  れないのです。 紙出願の通常包袋の場合だけ有効な確認手段で
  す。
※パトリスにて確認する。・・・異議番号付与後、1−1.5ヶ月程度タイ
  イムラグがあります。タイムリーな確認にはちょっと? 

☆特許庁で受理した書類はどれ位で閲覧出来る?

 拒絶理由に対する意見書等の、特許庁受理書類は通常約1ヶ月程度の方式処理期間を経て、包袋中に入ります。
ですから、期限経過後約1ヶ月してから包袋を閲覧すれば見ることが出来ます。
但し、オンライン出願のものは、認定情報(紙出願でいう方式審査にあたります。)処理がされたらファイル中に入りますので、紙出願より早く見られるケースがあります。また、その逆で、オンライン出願なのに紙で応答書類を提出された場合は通常よりファイル中に入るまで時間がかかるケースも出てきます。
 当ホームページの資料情報室の出願書類閲覧をご覧下さい。
特許庁で整理中の書類受理日が掲載されています。

☆最新の請求範囲を確認するには?

 出願人・権利者から提出される補正書は、審査・審判いずれの期間中でも、明細書の内容補正の場合、必ず審査経過の包袋に綴られます。(訂正公報作成の都合上)
審判請求後の補正書で、長官指令等の後の指定期間内に提出されているものは、理由補充や、委任状などの方式関連補正であるケースがありますので、その場合は、審判記録に綴られます。
いずれにしても、最新内容補正は必ず審査包袋を閲覧しなければなりません。


公報明細書編
☆公報番号の後に付いてる"A"や"B"はどういう意味?

 色々な海外データベース、やサーチレポート等に掲載されている特許番号の後ろに付いている"A""B"等の表示は、識別用に付けられた標
準コードです。
一般的に、各国の法律に準諸して以下の様に識別します。
・・・1次公表:
 公開制度のある国では公開公報、登録制度しかない国(米国など)
 では、登録公報となっています。
・・・2次公表:
  公告制度のある国では公告公報、公開・登録制度の国では登録公
 報。
・・・3次公表:
 公開・公告・登録制度全てある国での登録公報。

尚、以上の識別コード以外にも、"T""H"等のコードがあり、各国国内法により区別されています。詳しくは、特許庁発行の「内外工業所有権公報解題目録」に掲載されています。
☆番号で判る?出願種別・審判種別!!
国内出願等で付与される番号で以下の様な事が判ります・・・参考にして下さい。
出願番号:
  ※500000台のもの・・・・国際出願・特許公表
  ※600000台のもの・・・・国際出願・実用新案公表
  ※700000台のもの・・・・更新出願(特許・商標)
審判番号:
  ※50000台のもの・・・・補正却下不服審判
  ※60000台のもの・・・・判定請求
  ※70000台のもの・・・・異議番号

注)特・実出願番号平成2年400001号以降からは電子化出願。